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むさしのの都立公園

武蔵野公園 オフィシャルブログ

2016年4月16日

スプリングエフェメラル

春真っ盛り。

ソメイヨシノはもう花を散らしてしまいましたが、

サトザクラの仲間はちょうど見ごろです。

サービスセンター前では、カンザンがとてもいい雰囲気!

もうしばらくは楽しませてくれそうです。

 

サクラもいいのですが、武蔵野公園を歩く際には、

見上げるだけでなく、下にも注目してみてください。

そこには、春しか見られない鮮やかな色が、

絨毯のように広がっています。

明るい林床で、他の植物をかき分けて顔を出すのは、

薄い青紫色のフデリンドウ。

紫色なら一面に広がるタチツボスミレも負けていません。

 

続いて、ちょっと木陰に目を向けると、

しっとりとした林床には、ニリンソウの白一色に染まる場所があります。

こちらはマルバスミレ。ニリンソウよりも少し乾いたところで、一面に広がります。

 

ニリンソウやフデリンドウ、スミレ類が一斉に花をつけるのは、

一年のうちで、木々の葉が茂っていない春先のみの場合が多いのです。

ニリンソウとフデリンドウに至っては、木の葉が茂る5月の終わりには、

花だけでなく、葉までなくなり、翌春まで眠りについてしまいます。

 

このように、春先にしか現れない生きものたちのことを

「スプリングエフェメラル(春の儚いもの)」と言い、

出会うチャンスはわずかしかありません。

 

春先の武蔵野公園をおさんぽする際には、

ぜひ足元の儚い生きものにも目を向けてみてください。

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