皆さんは、公園でそっと目を閉じ、耳をすませてみたことはありますか?
親子が楽しそうに笑っている声、鳥のさえずり、大合唱するセミ。
昼間にそっと耳をすませてみると、明るく賑やかな「音」が聞こえてくるはずです。
夕闇が迫り、薄暗くなってくると、公園の「音」は一変します。
そんな秋の夜の「音」に耳を澄ませてみるプログラム、「鳴く虫を聞く集い」を9月9日に開催しました。
本プログラムは、地域で昆虫など自然環境保全に長年取り組んでいる市民団体「野川ほたる村」が毎年秋に開催していたプログラムで、今年で24回目。
秋の夜には、どんな「音」が聞こえてくるでしょうか?

秋の夜の「音」と言えば、コオロギなどの秋の鳴く虫。
こういう虫の観察は「目」ではなく、主に「耳」で行います。
しかし、木々や草が風でざわめいたりしている中、
小さな鳴く虫の声を聞き分けるのは至難の業。
まずは全員で目をつぶり、耳を傾け、聞こえる音に集中!
聞き分けの特訓です♪

皆さんは何種類の音が聞こえたでしょうか??
「3種類聞こえた!」というつわものもいましたが、
「1種類?う~~~ん???」という方がほとんど。
今回のプログラムで、ぜひ聞く力を養ってみるとしましょう♪
まずは野川沿いをゆっくり歩き、虫の声に耳を傾けてみます。
音を頼りに虫を探すと・・・
いたいた!小さなツヅレサセコオロギ!

こんなに小さいのに、あんなに大きな声を出すの!?
驚きの声があがります。
そこで、パークレンジャーが虫の鳴き方について解説

~音を出すのは何のため?
~どこから音を出しているの?
暗くて写真には写りませんでしたが、
翅を震わせて実際に鳴いている姿も観察できました。

実際に観察しながら学べると、納得できますね♪
だいぶ聞きなれてきたところで、今日の主役に会いに行きます。
「小金井市の虫」に指定されている「カンタン」

この虫は、公園内では野川沿いの一部と、
くじら山はらっぱにある保全地にしか生息していません。
長年ほたる村をはじめとする地域のみなさんが守り、育んできた場所です。
昼間に見ると、背の高い草がこんもりとまとまっている、
緑の島のような場所です。

「リュリュリュリュリュ・・・・・・」
小金井市のシンボルになったいきさつなど、野川ほたる村の上原村長の解説を聞きながら、
高い草の中から聞こえる優雅な音に、しばらく聞き惚れてしまいました。
観察会終了時にもう一度目をつぶり、音に耳を澄ませます。

なんと、観察会初めにやった時より、多くの鳴き声を聞き分けられるようになったという人が大勢!
9割以上の方が同時に3種類以上を聞き分けることができるようになっていました。
鳴く虫の声を美しいと感じ、楽しむ風習は、
日本人をはじめ東アジア特有の文化だと言われています。
もしかしたら、みなさんの中に眠る鳴く虫を楽しむ能力が
呼びさまされたのかもしれませんね!
ご参加されたみなさま、ありがとうございました!
皆さんも、散歩の途中で少し立ち止まり、一度耳をすませてみてください。
公園の自然は、普段とはすこし違った世界を感じさせてくれるかもしれませんよ。