こんにちは!パークレンジャーの中村です。
猛暑日が続いていますが、管理所のまわりをゆったりと優雅に飛んでいたチョウがいたのでご紹介します。

よく見るアゲハチョウとはちょっと違う模様の「ジャコウアゲハ」というチョウです。
幼虫が食べるウマノスズクサにとまっていたのでもしかして!?と思い、周辺の葉っぱをよく見ると・・・

葉っぱの裏側にオレンジ色の卵がありました!一度見つかると目が慣れてくるのか

色んな所に産みつけてあるのが見つかりました。
ジャコウアゲハのオスはお腹から甘いような粉っぽいような複雑な匂いを出します。その匂いが香水に使われるジャコウに似ているため、この名前が付きました。
また、ジャコウアゲハは匂いだけでなく毒も持っています。幼虫は毒のあるウマノスズクサを食べることで、体に毒をため込んで一生を通して自分の身を守ります。毒に守られているから敵を気にせず、ゆったり優雅に飛ぶことができるのです。
実はこのジャコウアゲハ、「オキクムシ」と呼ばれることもあり、ある怪談と関係があります。
皆さんは「皿屋敷」をご存じでしょうか?
名前にぴんと来なくても、井戸から「お菊」の亡霊があらわれ「一枚・・・二枚・・・」とうらめしそうに皿を数える場面は、知ってる方も多いのではないでしょうか。
お話によって少し違いがありますが、その「お菊」が無実の罪で捕まり後ろ手縛りにされた姿が、このチョウの蛹に似ているため「オキクムシ」と呼ばれるようになりました。

そういわれると何となく後ろ手縛りの女性に見えるような気がしてきますね。
オキクムシだけでなく、公園で見かけた他の生きものにももしかしたら色んな物語があるかもしれません。熱中症や体調に気を付けて、ぜひ散策して探してみてくださいね!