四季折々にカワセミやトンボなどが飛来する「武蔵の池」。
この池に、もっとたくさんの生きものがすめるように、
整備とおそうじをすることになりました。
そこで実施したのが、水を抜く前に、
生きものをつかまえてレスキューしようという今回の作戦です。
親子レスキュー隊を募集し、
16名の生きもの好き隊員とともに出陣することになりました。
しかしながら、素早く泳ぎ回る魚たちや
上手に隠れるトンボのヤゴをつかまえるのはなかなか難しいもの。
どうやってやればいいんだろう??
そこで、今回の作戦には強力な助っ人に来て頂きました!
9月26日・27日に開催した「アカミミガメ防除講習会」に引き続いて、
自然環境保全や外来種防除で最先端の取り組みをされている
「認定NPO法人生態工房」のみなさんに全面的なバックアップをして頂きました。
さらに狭山丘陵を中心に活躍されている「北川かっぱの会」や
都立井の頭恩賜公園のかいぼりで有名な「井の頭かいぼり隊」のみなさんにも
協力して頂きました。
心強いサポーターの力を得て、早速レスキュー開始です。
まずはアミの使い方、魚のつかまえ方をレクチャー。
コツをつかんだところで気合を入れて、
「おさかなレスキューがんばるぞ!おーーーっっ!!」
やや肌寒い天気でしたが、子どもたちの熱気は充分。
池の中をところせましと動き回り、次々と生きものレスキューしていきます。
この池の中で一番多かったのが、このモツゴ(別名クチボソ)。
その数なんと1000匹以上!こんなにたくさんいたのかと驚かされます。
※写真には一部別の種類も混ざっています。

しかし、大きな魚はなかなかとれません。動きが速いのと、
泥の中に隠れるのが上手なのとで、つかまえることが難しいようです。
そこで、生態工房のみなさんのアドバイスで、魚の動きをよく観察して、
追い込み漁をやってみよう!ということに。
子どもがトンネルの出口で待ち構え、

大人がそこに追い込む!

こうして、さらにたくさんのモツゴや、タモロコ、メダカ、トンボのヤゴ、
ゲンゴロウの仲間などをレスキューすることが出来ました。
中でも驚きは、大きなナマズ!

この池のヌシ様なのかな?
そんな声も聞こえてきます。
レスキューした後は、とれた生きものたちを、図鑑で調べ、何の種類かを見分けていきます。

今後、武蔵の池は、さらにたくさんの生きものがすめるよう整備を行い、にぎやかな池に生まれ変わります。
どんな生きものか調べることにより、その生きものが好きな環境を
整えることが出来、もっとたくさんの生きものがすめるようになるわけです。
さらに生きものの中には「外来種」と呼ばれるものが混じっていることがあります。
今回は、コイやエビの一種、キンギョなどが見つかりました。
つかまえた外来種は池に戻すことはできません。
なぜ「外来種」がいるといけないのか、パークレンジャーが解説します。

コイの場合は、
●泥を引っ掻き回して、水を汚す。
●他の小さな生きものを丸飲みして食べてしまう。
●カルガモのヒナやカメのような大きな生きものでも、かみ砕いて食べてしまう。
●水草を食べてしまい、他の生きものの隠れ家がなくなる。
こんな問題が起こります。
今回、「外来種」は引き取り手を探し、
他の生きものに影響がない場所へ移動させることになりました。
武蔵の池にいた「外来種」は、勝手に移動してきた訳ではありません。
全て飼っていた生きものを、人間が放したことによって入ってきています。
「飼っている生きものは、最後まで見てあげなきゃかわいそうだよね」
「ウチにいる生きものは、絶対に最後まで飼う!」
子どもたちからこういった決意や感想が聞かれました。
元々すんでいた生きものもかわいそうだし、捨てられた生きものもかわいそう。
人間のせいで、不幸な生きものが出ないように、
みんなで見守っていきたいですね。
最後に、武蔵の池がどんな風になってほしいか、意見を出し合いました。

●きれいな池にしたい!
●外来種がいない池にしたい!
●人と生きものがつながれるといい
●ヤンマなどの大きなトンボがいるといい
●まず、池を大事にしたい
たくさんの熱い想いが集まります。
今後は、まず池の水質悪化を避けるため、泥掃除とポンプ修繕を行う予定です。
それと同時に、みなさんのご意見をもとに、
水生植物がたくさん生えるようにする、生きものが陸にあがれるようにする、
水底に隙間を多くつくるなど、隠れ家をたくさん増やし、
生きものがたくさん見られる池に改善していきます。
レスキューした魚たちは、整備が終わり次第水を張り、
池に戻します(来春予定)。
生きものでにぎやかになった武蔵の池に、またぜひ遊びにきてください。
ご参加して頂いた皆様、協力団体の皆様、本当にありがとうございました!