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むさしのの都立公園

相棒をさがそう!

2019年5月31日(金)

パークレンジャー:金本

相棒をさがそう!

春が終わり、日々日差しが強くなる初夏がやってきました。

公園で見られる花も、徐々に主役を交代しているようです。
スミレやカントウタンポポなどの足元の小さな草花は一段落し、
これからは大輪の花を咲かせる山野草や、木々の花が目立ってきます。

 

特に雑木林の木陰でよく目立ちますので、
浅間山公園や野川公園の自然観察園に足を運んでみてください。

 

 

今多く見ごろを迎えているのが、木々の白い花。

①

こちらはガマズミ。小さな白い花がたくさん集まって咲いています。

 

 

修②

梅雨ごろには、お寺の鐘のような形をしたホタルブクロが見ごろを迎えます。

 

 

③

梅雨が明けて、夏の日差しが降り注ぐころには、
大輪のヤマユリが咲き誇るようになります。

 

 

こうしてみると、花の形は種類によって大きく違います。
なぜこんなに色々な形があるのでしょう?
それは、花と昆虫の関係に秘密があります。

 

 

植物が実をつけるためには、花粉をつくり、同じ種類の別の花に運ぶ必要があります。
そこで植物は花に蜜を蓄え、色を付けて昆虫たちの気を引くようになりました。
花から花へと飛び回る昆虫たちに、花粉を運んでもらう作戦です。

 

しかし、花粉が運ばれる先が同じ種類でなければ、実はつきません。
タンポポからスミレ、ヤマユリからホタルブクロ、では意味がないのです。
そこで植物は、できるだけ特定の種類の昆虫を呼び、
花から花へ移るときに、同じ種類を渡り歩くように、花を独特の形に変えていきました。

 

釣り鐘のような形をした花には…

 

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トラマルハナバチなどの、ハチの仲間がよく集まっているようです。
(写真はホウチャクソウ)
飛ぶ力が強く、脚もしっかりしているハチの仲間は、
下からでも花にアプローチできます。

 

 

 

大輪の花には…

 

修⑤

大型のアゲハチョウの仲間がよく集まっています。(写真はヒガンバナ)

大きくラッパ状の形をした花は蜜が奥の方にあり、
体が大きく長い口を持ったアゲハチョウの仲間が有利です。
大きな花びらは、これらの大型のチョウがゆったりと
とまれるスペースになっています。

 

花の形は、集まる昆虫の種類をできるだけ限定し、
花粉を同じ種類の花に運んでもらう作戦だと言えます。

それに対して、こんな作戦の植物も。

 

 

 

 

小さな花がたくさん集まるガマズミには…

 

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コアオハナムグリ

 

 

 

修⑦

キマダラカミキリ

 

 

⑧修

セイヨウミツバチ

 

 

本当に色々なタイプの昆虫が集まってきています。
この場合は、とにかくたくさんの昆虫たちを呼び、そのうちどれかが、
同じ種類の花にたどり着いてくれればいい、という作戦のようです。
「ヘタな鉄砲、数撃ちゃ当たる」作戦ですね。

 

 

花の形をじっくり観察してみると、確実に実を残すために、
植物が長い年月をかけて昆虫との関係を築いてきたことが、分かってきます。

 

きれいな花が咲いていたら、形に注目しながら、そっと見守ってみてください。
その花の「相棒」とも呼べる昆虫がやってくるところが見られるかもしれません。

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