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むさしのの都立公園

縦糸と横糸で織り成すもの

2016年9月30日(金)

#むさしのの都立公園, クモ, パークレンジャー / 金本:パークレンジャー

縦糸と横糸で織り成すもの

台風が過ぎて、だいぶ涼しくなってきました。

虫たちの声も、セミからコオロギへと主役交代。

 

 二十四節気の「白露」(大気が冷え、露が出来る頃)を過ぎ、

朝晩の寒暖差から、しっとりした空気が公園に漂っています。

今回はそんな時期ならではの雑木林の楽しみ方をご紹介。

  

特に雨上がりの晴れた朝がオススメ!

朝一番に公園を歩いていると、水滴をたくさんまとい、

木々の合間に光る糸を目にすることが出来ます。

 

雑木林を吹き抜けてくる風に揺られると、

日光の当たり具合が変わり、このように七色に見えることも。

 

形を見るとよく分かりますが、これはクモの巣に水滴がびっしりと付着した姿。

 

ジョロウグモなど円網(放射円状に糸を張るタイプのクモの巣)をつくるクモが、

大きな成体になるこの時期は、朝露に濡れるクモの巣も非常に見応えがあります。

 

どんな風に水滴がついているのか、近くで見てみました。

 

全面にびっしりと水滴がついている訳ではないのが分かります。

 

まるく広がる横糸にはびっしりとつき、

枝や草にくっつき、支えになっている縦糸にはほとんどついていません。

不思議に思い、糸に触れてみると、

横糸はべとべとしているのに対し、縦糸は滑らかな感じがしました。

どうやらクモの巣を形づくる糸の中には、いくつかの種類がありそうです。

 

 

実は、クモは様々な機能を持った何種類もの糸を使い分けています。

例えば、

 ●獲物をつかまえるための粘液つきの横糸

 ●クモの足場となる滑らかな縦糸

 ●円網をつくるときの基礎となる丈夫な枠糸

 ●クモの命綱となる牽引糸

その他、巣の中心に戻るための目印となる糸、卵を保護するための糸など。

 

このような用途の違う多様な糸を組み合わせ、

獲物をとらえるために周到に編み上げられた罠が、クモの巣なのです。

  

寒暖の差が激しく、クモが大きいこの時期は、朝露に彩られた巣を楽しむだけでなく、

クモの巣の構造を観察するうえでも、とても大きなチャンスです。

 

見つけたら、巣を壊さない程度に、そっとさわり、

クモの糸の違いを体感してみてください。

 

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